日本価値創造ERM学会は、来年度設立20周年を迎える団体であり、本年度節目となる「第20回研究発表大会」がまもなく開催されます。
本学会は、バブル崩壊後経済が停滞していた2007年に設立され、日本の企業がより良い経営を行う為に必要な「価値を産み出す道筋」や「リスクを上手く管理する仕組み」(ERM:Enterprise Risk Management) について議論し、どの様に活用すれば効果的かを探求する団体です。こうした取組みにより企業がもっと強く、より良い経営が出来るようになる事を目指しています。一見すると社会科学や経営学の分野であり、自然科学といった分野を専攻する私たち理科大生には縁遠いように感じるかもしれません。しかし、実は理系の学びや将来のキャリアと非常に密接に関わっています。
技術力だけでは成功しない?経営とリスクの視点
将来、エンジニアや研究者として活躍するだけでなく、自らプロジェクトを立ち上げたり起業を目指したりする学生も増えています。そうした際、優れた技術を持っているだけでは事業として成功することは難しく、どのように経営していくかという視点が不可欠になります。
例えば、新薬などの研究開発においては、副作用という不確実なリスクが伴うことがあります。ERM(Enterprise Risk Management)の考え方では、単に「副作用は無い方が良い」と片付けるのではなく、不確実性の中でいかにリスクを最小限に抑え、企業として利益を生み出すための資源配分や選択を行っていくかを戦略的に考えます。
生成AI時代における人間の「価値創造」
生成AIなどの新技術が発展する現代において、過去のデータからメカニズムを学習し、リサーチやレポート作成を高速で行うことはAIの得意分野になりつつあります。しかし、過去の膨大な市場データを瞬時に分析できたとしても、これから生み出す新技術やサービスが確実に成功するかどうかまでは予測しきれないのと同じように、過去のデータから導き出されたものが未来で確実に通用する保証はありません。AIの提示した客観的な情報をもとに、リスクを見極め、どのような新しい価値を生み出していくかを最終的に「選択・決断」するのは、私たち人間の役割と言えます。
物理学などの自然科学では方程式によって1つの正解を導き出しますが、社会科学である経営の世界に「唯一の正解」はありません。本学会に参加し、多様な経営モデルや企業の成功・失敗事例に生で触れることは、無数にある選択肢の中から自らの意思で「正解」を選び取り、未来のキャリアや起業への道を切り拓いていくための大きな糧となるはずです。
第20回 日本価値創造ERM学会 研究発表大会 開催概要
本年度は「企業価値を高める『選択』の経営」をメインテーマに、以下の通り開催されます。
- 日時:2026年9月3日(木)
- 場所:東京理科大学 神楽坂キャンパス PORTA神楽坂5階 および オンライン(Zoom)でのハイブリッド開催
プログラム
- 【第1部】09:45~15:10 研究発表(※会員限定。参加希望の場合は要入会:学割あり)
- 【第2部】15:30~18:15 基調講演&ディスカッション(※非会員でも特別に参加可能!)
理科大生も第2部に参加可能!事前登録のご案内
今回の大会は学会員向けのものですが、「第2部:基調講演&ディスカッション」については、当学会に関心のある学生(非会員)でも参加することができます。
- 参加方法:事前に学会の公式ホームページ(参加登録フォーム)から登録を行うだけで、どなたでもご来場・ご視聴いただけます。
- 当日参加:事前登録を済ませていれば、当日に直接会場(神楽坂キャンパス)へ足を運んで参加することも可能です。
企業経営や価値創造の最前線に触れる絶好の機会です。将来の就職活動や自身のキャリアの幅を広げるためにも、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

