【後編】「AIに使われるな」野村證券・太田氏が語る、理系学生が生き抜くためのキャリア戦略〜日本価値創造ERM学会 潜入インタビュー〜

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【前編】データ分析だけでは不十分?物理学専攻の学生が探る「価値創造のストーリー」〜日本価値創造ERM学会 第20回大会 潜入インタビュー〜
来年度で設立20周年を迎える「日本価値創造ERM学会」の第20回研究発表大会が、9月3日(木)に我らが東京理科大学の神楽坂キャンパスを会場として開催されました。今回、私たち東京理科大学新聞会は取材陣と…

前編では「データと価値創造のストーリー」についてレポートしました。続く後編では、日本価値創造ERM学会の第20回大会実行委員長を務める太田洋子氏(野村證券)の学生時代のエピソードや、生成AIが普及する現代において私たちが意識すべきキャリア戦略について伺います。

データ分析と向き合った学生時代

太田氏は慶應義塾大学の定量経済学科で、産業連関表を用いた分析に取り組んでいました。当時は消費税(3%)が初めて導入されるタイミングであり、その経済的な波及効果をシミュレーションしたといいます。 「当時は毎日パソコンの前に座って、ひたすらシミュレーションをしていました」と太田氏は熱気あふれる当時を振り返ります。その後、実際のM&Aを題材にした企業価値評価のシミュレーションを卒業論文にまとめました。その実務的な研究が評価され、1990年に野村総合研究所の女性総合職第1号として入社を果たしたそうです。数字を使って企業の真の価値を見極めるという学生時代の学びが、現在のキャリアにも直結していることが伺えます。

「AIに使われるな」これからの価値創造

現在、生成AIの精度は飛躍的に向上しており、学生のレポート作成などにも大きな影響を与えています。この変化に対し、太田氏は次のように警鐘を鳴らしつつ、期待を寄せます。

  • 「AIに使われるのではなく、AIに負けないように世の中を良くするものを作ってほしい」
  • 「AIが生み出す情報に、人間がどう付加価値をつけるかがそれぞれの個性になる」

過去の記録から新たなものを弾き出すAIをうまく活用しながら、最終的な価値を生み出し決断するのは、私たち人間の役割です。

理科大生へ:知的好奇心と時間の使い方

最後に、これから社会に出る現役学生へ向けた熱いエールをいただきました。

  • 知的好奇心を忘れない:大企業に入っても周囲に圧倒されて霞んでしまうことなく、知的好奇心を持ち続け、臆さずに意見を言ってほしい。
  • 今のうちに経験を積む:社会人になると驚くほど時間がないため、つまらないと思えることでも今のうちに様々な経験をしておくことが将来の記憶に残り、必ず糧になる。

取材後記(現場の運営に携わって)

今回、神楽坂キャンパスで行われた学会の運営スタッフとして参加し、同時にインタビューをさせていただく中で、「自然科学」と「社会科学」の違いを肌で感じることができました。物理学の世界では常に唯一の正解(真理)を追い求めますが、価値創造や企業経営の世界には、無数の選択肢と「人間が紡ぐストーリー」が存在します。社会に出たとき、私たちがデータや技術をどう活かし、どのような価値を社会に提供できるのか。その第一歩を踏み出すための強力な羅針盤となる、非常に有意義な取材となりました。太田様、そして学会関係者の皆様、誠にありがとうございました。

日本価値創造ERM学会:https://javcerm.jp/

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