2026年度の東京理科大学・一般選抜(A〜S方式)の全入試結果が出そろいました。大学公式HPにて発表された2027年度版パンフレット「大学案内」に記載の確定データから、今年度の理科大入試のトレンドを東京理科大学新聞会が徹底分析します。

全体の志願者数は6万1979人(総合型選抜等除く)と、前年度(5万7220人)から約8.3%の増加を記録。志願者が増えた一方で合格者数が絞られた学科も多く、全体として厳しい “激戦の春” となりました。

1分でわかる!2026年度入試・3つのトピックス

  • 本学独自試験(B方式)の競争が激化

志願者は3万5873人(前年比2197人増)と急増したものの、合格者数は1万306人(前年比21人増)とほぼ横ばい。実質倍率が上昇し、狭き門となりました。

  • 新制度の共通テスト利用(A方式)も好発進

今年度から「4教科型」「3教科型」などに再編・細分化されたA方式は、合計で2万5392人もの志願者を集め、受験生からの高い関心が一目でわかる結果に。

  • 「理学部第二部(夜間部)」の倍率が上昇!

特に入試形式別の動向で際立ったのが「理学部第二部」の躍進です。

「社会人だけの夜間部」は昔の話?データが示す「多様な学びの交差点」

今回の入試結果で最も注目したいのが、夜間学部である「理学部第二部」の躍進です。

とくに物理学科のB方式(独自試験)は激戦となりました。志願者数は前年の224人から351人へと約1.5倍に急増し、実質倍率も1.6倍から2.3倍へと大きく跳ね上がっています。

夜間部というと「社会人が働きながら通う場所」というイメージが先行しますが、入試データはそこに「一般の受験生(現役生・浪人生)からの熱い支持」が加わっていることを浮き彫りにしています。

社会人や特異なキャリアを持つ層が受けやすい「総合型選抜」の合格者が理学部第二部全体で34人(2025年度実績)であるのに対し、一般選抜(A・B方式)には、今年度1,468人もの出願が集中しました。共通テスト(A方式)や独自の学力試験(B方式)に向けて本格的な受験勉強をしてきた若年層が、現在の志願者の大きなボリュームゾーンを形成しているのは間違いありません。

しかし、これは「社会人学生がいなくなった」ことを意味するものではありません。昼間の仕事を終えてから熱心に講義に耳を傾ける社会人学生の存在は、今も理学部第二部のアイデンティティです。

現在の理学部第二部は、若年層へのシフトが進むと同時に、「純粋に学問を探求したい現役生・浪人生」と「多様なバックグラウンドを持つ社会人」が同じ教室で机を並べる、稀有な環境へと進化しています。年齢や立場の垣根を越え、共に到達度評価などの厳しい試験を乗り越えていく学びの多様性こそが、多くの受験生を惹きつける現代の理学部第二部の本当の魅力と言えるのではないでしょうか。

なぜ今、現役生や浪人生が「理学部第二部」を選ぶのか?

合理的な選択を重視する現代の受験生にとって、現在の理学部第二部は非常に魅力的な選択肢に映っています。その理由は主に3つあります。

  • 圧倒的な学費の安さ

4年間の学費は昼間部(一部)の約半分。国公立志望だった層や、私立の学費を抑えたい受験生にとって強力な選択肢です。

  • 昼間部と変わらない「教育・研究の質」

神楽坂キャンパスでは、一部と同様の設備を使って授業や研究を行います。さらに、教授陣も実力がある方が勢ぞろいしていて、わかりやすい丁寧な授業が展開されています。

  • 昼間の時間を自由に使える

昼間の時間を仕事やIT系の長期インターン、あるいはガッツリと自習に充てるなど、時間を有効活用したいアクティブな学生が増えています。

特に今回の物理学科の倍率急上昇は、夕方以降の時間を使って力学や電磁気学などの純粋理学にじっくり向き合いたいという、目的意識の明確な若者たちが集まっているリアルな受験構造を映し出していると言えます。

【データ出典】

本記事のデータは、2026年5月20日発表の東京理科大学公式HPの2027年度版パンフレット「大学案内」に掲載された確定数値を基に、東京理科大学新聞会が作成・分析しました。