東京理科大学百合愛好会は、2021年度に創設された本学の新しい課外活動団体である。創設1年であるにも関わらず、すでに会員16名を集め、活発に活動している団体だ。そうした百合愛好会は一体どのような団体なのか。今回はその代表者であるkomikomiさん(ハンドルネーム)に話を聞いた。
―百合とはなんでしょうか?
「百合とは女性同士の恋愛関係を題材にした小説、漫画などの文学作品、アニメ作品などのジャンルのことを指します。百合というジャンルで想定される人間関係の幅は広くて、友情に近いものから深い恋愛関係まで様々なものがあります。友情に近い関係を描くだけの作品でも結構人気がある一方、もっとドロドロした関係のほうが美しいと感じる人もいて、そちらも人気があります。描かれる人物の年齢も様々ですが、学生など、若い女性同士の関係を描く作品のほうがやはり人気がありますね。」
―どのような活動をしていますか?
「まず週に1回定例会を開いています。その他に年に数回、一大イベントとして会報を制作したり、ブログで作品の感想を投稿したりすることが主な活動となっています。活動の運営は4つの班、会報班、広報班、交流班、上映会班に分かれて行っています。会報班は会報の制作に携わる班であり、会報の企画やゲストの募集、校正、編集などを行います。本会の花形の班ですね(笑)。広報班はホームページやTwitterの管理、会報の宣伝などの広報活動を行います。交流班は他大学の団体との交流を企画しています。例えば会報のゲストを募集するために他団体と交渉しています。3月には会報「りかゆり」2号が発行されましたが、そこにゲスト参加した横浜市立大学の団体との交渉を交流班が行いました。上映会班は、前年度残念ながらコロナ禍で活動できていませんでした(笑)。大学の規制が緩んだら教室を借りて上映会を行いたいと考えています。」
―定例会ではなにをしますか?
「会員みんなで集まり自分たちの好きな漫画や小説、アニメの感想を語りあったり、お互いに好きなものを薦めたりしています。自分の好きな作品を会員が知っていると、楽しくて話が弾みますね(笑)。会員みんなの仲が良くて、とてもいい雰囲気で語り合えているのが印象的です。例えば今期は「まちカドまぞく」というアニメが放映されていて、その話で盛り上がったりしていますね。現在は、大学の規制に従いオンラインで行っています。」
―会報について聞かせてください。
「会報では小説、イラスト、漫画、コラムなどを集め、それを会報班が編集して製本し、発行しています。読んでみると面白いですし、自分の作品が載るとやっぱり楽しいです。ただ制作中はどうしても忙しくなり、原案の提出が締め切りに間に合わないと編集期間が短くなって大変です。提出後に小説の表現やイラストのデザインを変更するように言われることもよくありますが、みんなで集まり力を合わせて何かを作り上げるのはとても楽しく、そのときの雰囲気がいいですね。また、発表したものを読んでくれた人に感想を言ってもらえたりすると嬉しいですね。」
―愛好会が創設されてから1年になりますが、どういった目的で創設されましたか?
「自分が理科大に入ったとき、たまたま百合好きな友達を見つけることができたおかげで、趣味を共有することの楽しさに気づきました。それから調べてみると、他の大学で百合サークルが存在することを知りました。理科大でも同じように、簡単に百合好きの友達を探すことができたり、一緒に百合を楽しめたりできたらと思い団体を結成しました。しかも結成すると理科大には意外と百合好きが多いことに気づきました(笑)。最近は百合作品が爆発的に増えていて、頻繁にアニメ化されるようになっています。また、大学の百合サークルが全国で増えていますね。」
-今年度はどのような活動をする予定ですか?
「コミケなどのイベントに参加し、自分たちの会報を多くの人に手に取ってもらいたいと思います。また、他大学の団体ともっと積極的に交流できればなと考えています。会報へのゲスト参加はもちろん、対面での交流もしてみたいですね。対面での上映会も開催したいと思います。」
-東京理科大学百合愛好会はどのような団体を目指していますか?
「百合の定義やイメージは人それぞれですが、現在は会員がお互いの百合を尊重しあいながら活動できているのはとても良いことだと思います。引き続きこのように仲良く、お互いを尊重しながら、会報の出版などの活動を続けたいです。」
-最後に何か伝えたいことはありますか?
「百合は面白いのでぜひ読んでみてください(笑)。知らないと抵抗を持つ人もいるので、面白いことをぜひ知ってもらいたいです。」