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【連載】【理科大生に贈る1冊】第2回 「羊と鋼の森」

大学生になり本を読む機会が減っていると感じています。そこで普段本を読まない新聞会企画班のメンバーが読書をして理科大生に本を紹介しようという企画です。人それぞれの違った本への感じ方を共有できたらいいなと思います。 

「理科大生に贈る1冊」第2回目に紹介する本は「羊と鋼の森」という小説です。この小説は、ピアノ調律師を目指す青年外村が、さまざまな人との出会いによって成長していく姿を描いた心温まる作品です。

・羊と鋼の森

ピアノの音は、「羊」の毛でできたハンマーが「鋼」の弦をたたくことで生まれます。そうして生まれた音を耳にした外村が、「森」のように深い調律の魅力に惹かれていく様子をこのような素敵な題名で表現されているのも、この小説の魅力のひとつだと思います。 

・主人公外村について 

外村は、北海道の山の中で育ちました。高校生の時、将来の目標を持っていなかった外村は高校を卒業して何とか就職先を見つけて生きていければいいと思っていました。しかしある日の放課後、一人のピアノ調律師との偶然の出会いによって「音」に心を奪われた外村は調律師の道へと歩き出すことになります。 

・さまざまな人との出会い 

外村が調律師を目指していく中で、先輩調律師やピアニストの姉妹などとの出会いがあります。そのような人との出会いや会話を通じて、外村が調律師としてだけでなく人としても成長しているということを感じられると思います。 

・羊と鋼の森を読んで 

私がこの小説を読んで一番印象深かったのは、思わずどこかに書き留めておきたいと思ってしまうような素敵な表現や言葉でこの物語が描かれていたということです。これから読む方も、この作品を読んでいく中で自分のお気に入りの言葉や表現がきっと見つかると思います。また、外村の成長を支える人たちのアドバイスは、調律師の外村だけでなく学生の私にも当てはまることが多く、自分の背中を押してもらったように感じたので、同じ学生の皆さんにもぜひ読んでみてほしいと思います。

新聞会企画班 越智舞衣乃 



  • 本の紹介 
  • 「羊と鋼の森」 
  • 著者:宮下奈都 
  • 発行所:株式会社文藝春秋