大学生になり本を読む機会が減っていると感じています。そこで普段本を読まない新聞会企画班のメンバーが読書をして理科大生に本を紹介しようという企画です。人それぞれの違った本への感じ方を共有できたらいいなと思います。
「理科大生に贈る1冊」第1回目に紹介する本は「宮沢賢治」という宮沢賢治の伝記です。宮沢賢治と言えば詩人であり童話作家というイメージが強いと思います。確かにその通りですがこの本を読むことで宮沢賢治という1人の生き方、いかにして童話や詩が生まれたのかを知ることができます。
「宮沢賢治」
・素直で真っ直ぐな少年
宮沢賢治(以下:賢治)は岩手県の花巻出身で質屋と古着屋を営むお金持ちの家に生まれました。やんちゃでありながら心優しい少年で困った人を見ると助けなければ気が済まない子だったそうです。お金持ちの家に生まれた賢治は実家の店にでたりのんびり暮らしたりと言った生活が退屈であったそうで勉強への気持ちが高まり盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)へ入学したそうです。
・下ノ畑ニ居リマス
賢治は学校で農業を学び、先生になった後に百姓になり肥料の量など農家に教えてまわっていました。賢治は時代の先を行きすぎていたためか批判を受けることも多かったようです。自然相手なのでうまくいかない時もありそんな時は謝って農家をまわり自分の責任にしてしまうほど農業への想いは強かったと感じられます。
・雨ニモマケズ
一度は雨ニモマケズという詩を読んだことが皆さんあると思います。でもこの伝記を読むまでは賢治がどんな思いで読んでいたのかは知りませんでした。
ミンナニ デクノボウト ヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ ソウイウモノニ ワタシハ ナリタイ
このように自分自身が思える日が来るのかわかりませんが人を想う気持ち、自己犠牲が伴っても世の中を前に進ませようとする思いは語り継がれていくといいと感じました。
・宮沢賢治という伝記を通して
小学生でも読むことができる本ではありますが大学生になった今だからこそ感じる詩や童話、さらには農業への賢治の思いに心を惹かれました。また、童話や詩には賢治自身の人生と重ね合わさっているところが多いのでこの伝記を読んでから宮沢賢治の作品を読むとよりその世界を感じることができると思います。花巻という地で全力で生きた1人の男の軌跡を感じてほしい。
新聞会企画班 津久井宙優
- 本の紹介
- 「宮沢賢治」
- 著者:馬場正男
- 発行所:株式会社ポプラ社