今回取材したのは、画家として活動している西川望美(のぞみ)さんだ。これまでの半生を振り返るとともに、西川さんの絵画の魅力についてお話を聞いた。
西川さんは岡山県で生まれ育った。幼少期から周りに比べ勉強ができず、周りに追いつくために自習にも励んだがうまくいかなかった。
高校卒業後、病院で検査をしたところ、軽度の知的障害と診断された。特に算数計算や見た情報を素早く正確に処理する能力が不足していた。なぜ、今回の取材で知的障害を打ち明けたてくれたのかを聞くと、「勉強が苦手でも、好きなことで楽しく生きていることを伝えたい」と語った。
西川さんは、幼少期の頃から絵を描くことが大好きで、自由帳にたくさんの絵を描いたていた。西川さんの絵には、肖像画・風景画・静物画などのジャンルにとらわれず、その時描きたいと思った絵ものが描かれている。型にはまらない自由な作風は現在の活動にもつながっている。
西川さんの絵画の特徴の1つは、描きたい対象の持つ雰囲気や背景を絵に再表現できることである。ある人物画においては、背景や顔の中に様々な花をまぎれさせ、華やかな雰囲気を再現した。また、東京での思い出の絵画では、うまく文字や形をハートの中に複雑に組み合わされている。それぞれのパーツをよく見ると日時・岡山・Happyなどのキーワードを含んでおり、絵画全体を楽しむとともに、それぞれのパーツが更さらなるメッセージを見る人に与えてくれる。
このように独創的な絵画は、ほぼ下書きなしに、西川さんの想像のままに表現される。作成制作日数はほとんどの絵画が1日で、休憩も取らず一気に仕上げていく。1日で仕上げる集中力はどこから来るのか疑問に思い、西川さんに絵画作成制作でのモチベーションを尋ねたところ「私の絵画を見た人に喜んでもらうことです」と語った。
現在はインスタグラムを(@non__07n)への投稿を中心に絵画展への出品などを通して自分の絵画を発信している。今後の展望について「いずれは、自分だけの個展を開いてみたいです」と目を輝かせながら語ってくれた。