取材

東京理科大前期オンライン授業を終えて

理科大生へのアンケートと渡辺一之副学長へのインタビュー

学生アンケートの結果を聞く渡辺一之副学長

 本会では6月27日から7月12日まで本学学生に向けてオンライン授業に関するアンケートを実施した。その結果を基に8月6日、本学の渡辺一之(かずゆき)副学長(以下:副学長)にインタビューを行うことができた。副学長は限られた時間の中で真剣に学生の意見に耳を傾けていた。

 本会が行ったアンケートには学生の不安が多く寄せられていた。例えば「課題のフィードバックがない」、「教員との連絡が取れない」、「シラバスに変更点が反映されていない」などだ。

 副学長はフィードバックがないことについての不安を理解しており、原則として「やらせるだけ」の課題を容認しない立場だ。しかし実際にはすべての教員がそれを実施できていない可能性を認め、今後は改善していくことを約束した。

 教員との連絡が取れないことに関して、副学長はLETUSでの質問機能が全授業で常設されていると考えていた。時間によっては受け付けていなかったり、そもそも質問機能が設けられていなかったりする授業があることを伝えると、今後の改善に反映させたいとのことだった。

 オンライン授業に移行したことによりシラバスの評価方法が変更された授業も多くある。一方でそれをシラバスに反映していない授業も存在している。副学長は軽微な変更ならシラバスでの反映は必要ないとの意見だが、学生の混乱を招くなら改善の余地があるとの意見を示した。

 続いて本会のアンケートで多かったのは学習面での疑問や不満だ。例としては「自学自習のみの授業が存在する」、「授業時間の超過」、「課題量の増加」などが挙げられた。

 大学のオンライン授業に対しての方針は学長室から発出され全教員に共有されており、オンライン授業は必ず対面授業と同等の教育効果を与えるものでなくてはならないとしている。

 明らかに自学自習のみであるなど対面授業の教育効果を感じない授業や、非同期授業動画の総時間が90分を超えている授業を受講している学生は、授業担当者に連絡するか、学部事務課に連絡してもらいたいとのことだ。

 課題量の増加に関しては対面授業と同等の効果を担保するために、教員も試行錯誤の最中であることを副学長から打ち明けられた。現在CLASSで学生を対象に実施しているアンケートの結果次第で、後期では課題量についての方針が学長室から発出される可能性もある。

オンライン授業への大学の対応を説明する渡辺一之副学長

 副学長はオンライン講義で学生が課題の増加を感じる要因の一つとして、非同期授業での理解の程度が学生の時間管理能力に依存している可能性を挙げた。受講時間を自由に選択できる授業を深夜にずらしたり、週末にまとめたりすることで、結果的に課題の増加を感じることになっているかもしれない。

 副学長は学生に対して、非同期授業でも本来の授業時間に受講すること、参考図書はあらかじめ読んでおくこと、もし授業の実施状況に疑問などがあるなら授業担当教員または学部事務課に問い合わせること、二年生以上は友達と学習の質問をしあうこと、などをオンライン授業におけるアドバイスとして挙げた。

 大学はCLASSで実施している「【全学生対象】オンライン授業に関するアンケート」での学生からのフィードバックを分析して、後期オンライン授業の改善の参考にするとしているが、課題は多い。

 例えば、もし改善点を学長室が発出したとしてもそれが実際に改善されたかどうかを確かめるすべを学生が有していないことが挙げられる。

 そのことを指摘すると副学長は、授業・教員が特定できる形でアンケートに答えた場合は、それを授業担当教員が把握し、改善できるように伝えることを約束した。

 しかし大学が実施するオンライン授業に関するアンケートでは実際にどの授業に問題があるのかを答える欄が存在していない。

 それを受け、本会では前期を終了した学生に、実際にどの授業でどのような問題が生じていたかのアンケートを実施し、web上での公開を検討している。

 萩生田文部科学大臣は8月4日「小中学校でも感染対策の工夫をしながら通学させているので、大学だけが完全にキャンパスを閉じるというのはいかがなものかと思う」と苦言を呈し「大学側には学生の思いをしっかり受け止めてもらいたい」と発言している。

※掲載されている情報は取材当時のものとなります。webへの掲載が遅れ申し訳ございませんでした。