取材

【再掲】 留年生インタビュー

 もし自分が留年してしまったら。このようなことを考えたことはあるだろうか。試験期間中、実験レポートの作成中に頭をよぎった学生は多いだろう。「留年」という言葉に対して好印象をもつ人は多くはないだろう。これは留年してしまった分だけ同年齢の学生と比較して、就職活動に遅れをとってしまうという考えによるものが多い。

しかし、留年してしまったことをプラスに捉えている学生がいる。この留年生に対して、留年してしまった1年間の過ごし方についての理想像についてではなく、実際にどう過ごしたかについて焦点を当てた取材を行った。 

留年の経緯 

 当人は講義を教室の前列で受け、疑問点があれば質問を行うなど比較的真面目な学生で、講義を休むこともなかった。そういった真面目な性格もあり、講義に出席せずに過去問の勉強のみで試験に臨む学生や過去レポをコピペしてレポートを完成させてしまう学生に対して嫌悪感を抱いていた。言い換えると、試験における点数を取るための勉強ではなく、法則や定理の理屈から論理的に覚えるアカデミックな勉強を行うことに価値を見出していた。

そのためもあって、以前から暗記の多い学問分野に対して苦手意識があり、単位を落としてしまった学問分野もそれに近いところがあった。当人は高校受験、大学受験とペーパー試験ではない試験で入学していて、教科書を読み理解するというインプット型の勉強法であった。

そのため自分で解けるように理解する、アウトプット型の勉強法に重点を置いていなかった。また、試験2日前にインフルエンザに感染してしまったことも相まって単位を落としてしまった。留年することはマイノリティであるため苦労することも多くマイナスに捉えてしまう人もいるだろう。

しかし、留年してしまったことで有意義な大学生活を人より多く得られるという考え方をしているために、当人は留年してしまったことをマイナスに捉えていない。また、留年してから社会に一歩出たことで、将来について考える時間が得られたため、就職に対する考え方も変わり視野が広まったと言う。 

留年した直後はボランティア活動や起業のことを考えていた。しかし、昨年度の夏には途上国を実際に訪ね、途上国の現状を体感したことでビジョンに変化があったそうだ。当初はボランティア活動に対する漠然とした興味はあったが、実際に現地に訪ねたことで、都市部と地方部で交通インフラや経済状態における大きな差があることを知り、現地の人と交流もできた。また、担当科目の先生からは2年間教えてもらえたので理解もより深まり感謝していると言う。 

留年すること自体が悪いことではなく、その後の1年間の過ごし方をいかに自分にとってプラスとなる1年間にするかでいくらでも良いことにも、悪いことにもなりうる。仮に留年していなくても、当人の視座に立ち現在の自分の時間の使い方、将来のビジョンに対して疑問を投げかけるのは、今からでもできることだ。 

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