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【取材】Hult Prize本大会開催

12月8日、本学神楽坂キャンパスにて学生を対象としたソーシャルビジネスコンテスト、Hult Prizeの学内大会が開かれた。15チーム以上の応募があった今大会では、例年に増して活発な発表が行われた。 

ハルトプライズ(Hult Prize)とは、ソーシャルビジネスを志す学生のための世界最大規模のプラットフォームである。1万人を超えるスタッフとボランティアが、約10年の間に5000万ドル以上の資本を動かしてきた。オフィシャルパートナーのビルクリントン元大統領などの著名人や、国際連合など様々な国際機関の協力を受けて、学生起業家の育成を行っている。現在では毎年10万人以上の学生が各大学で行われる大会に参加し、勝ち進んだチームがRegional Summitと呼ばれる海外地域予選に進出することになっている。最終的に世界決勝の優勝チームには100万ドルの資金が与えられ、実際に考えたビジネスプランに基づいて起業することが出来るそうだ。本学からは昨年度2組のチームが海外地域予選進出するという快挙を成し遂げている。 
 
 今年度学内大会で優勝したのは、MS科、CV科、2S科からなるSapocityという混合チームだ。Hult Prizeに出場するために結成され、約2カ月弱の間にチームシャツを作るまでに団結力を高めてきた。彼らのビジネスプランはブラジルの小児皮膚病患者のためにブラジルで生まれる大豆ゴミを利用して、サポニンという皮膚病に有効な物質を多く含んだ製品を供給するというものであった。 
 
 学内大会優勝チームのSapocityは今後、世界30地域以上で開催される世界地域予選に進出する予定。そこで優勝すれば、さらに次のステージとして夏にボストンで行われるアクセラレータプログラムに参加することになる。そのためにまず彼らは世界地域予選の突破を目指し、これからさらに案のブラッシュアップを行っていくそうだ。渡航費や現地調査費などはこれからクラウドファンディングにて調達予定とのこと。 
 
 本学にはまだグローバルで積極的に自分の意見を主張する生徒が多いというイメージはあまりないだろう。しかし、このハルトプライズ出場によって世界での舞台を経験する機会が増えれば、全く新しいイメージを内外に発信することになるのではないだろうか。Hult Prize理科大はこれまで沢山のアントレプレナーの卵を排出してきている。今後のチームSapocityの活躍に期待だ。