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伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」

  • 2009-10-04 (日) 11:42
  • 書評

世界地図というのはすごいものだ。何と言っても、この地球全ての陸地や海、山が記されているのだから。眺めていると、世界を征服したような気分にもなれる。そして、「世界はせまいな」などと思ったりもする。しかし、よく目を凝らして見てみると、カラフルな世界地図のど真ん中、丁度四つ折にした折り目の中心部、小さな丸い空白地帯を見つけた。その人は思うだろう、「ああ、色が剥げ落ちた」。そこに、名も知れぬ小さな島があるとも知らずに。

物語の舞台は小さな島である。日本語を話す住民が居住し、本州とほぼ変わらぬ雰囲気を持ち合わせた、一見何一つ変哲のない島だ。そう、一見だ。

「外の世界から来た人間」と呼ばれる主人公は、この島に降り立ち数日を過ごすことになる。孤立した島の中で繰り広げられる不思議な出来事が主人公を悩ませる。

島には未来が見える案山子(カカシ)がいる。見える、というのだからもちろん人の言葉も話すことが出来る。しかし、案山子は殺される。

物語が進むにつれ事の真相が明らかになっていくが、最後まで読まねば「オーデュボンの祈り」という題名の意味までは汲むことができない。しかし、その意味がわかったとき、私は鳥肌が立ってしまった。

伊坂氏の著書を読むのは2作目であるが、早くも彼の魅力にのみこまれそうである。

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